オーバーレイ解析
オーバーレイ解析は、2つのデータセットの空間オブジェクトに対し、論理積、論理和、論理差、排他的論理和などに関連する演算を行い、新しい空間情報を取得する機能です。
次の7つの方式をサポートしており、土地利用、都市計画、農林業、環境など、幅広い分野に応用されています。
データセット1 (元データ) |
データセット2(オーバーレイデータ) | |||
演算タイプ | 演算方法 | 解析結果 | ||
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クリップ演算(Clip) | 元データ(オーバーレイされるデータセット)から、オーバーレイデータ(オーバーレイするデータセット)と重なる部分を、型抜きのように切り抜きます。 | |||
ユニオン演算(Union) | 2つのデータセットの集合(論理和)を求めます。2つのポリゴンデータセット間に対してのみ実行できます。2つのデータセットの全ての部分は、交差するラインで分割され、結果データセットに出力されます。 | |||
イレース演算(Erase) | 元データ(オーバーレイされるデータセット)から、オーバーレイデータ(オーバーレイするデータセット)と重なる部分を消去します。 | |||
インターセクション演算(Intersect) | 2つのデータセットの交差部分を求めます。2つのデータセットの重なる部分が保存先のデータセットに出力され、残りの部分は削除されます。 | |||
アイデンティティ演算(Identity) | 2つのデータセットの交差部分を求めます。元データ(オーバーレイされるデータセット)のすべての部分を残し、オーバーレイデータ(オーバーレイするデータセット)の中の、元データと重ならない部分を削除します。 | |||
シンメトリック演算(Symmetrize) | 2つのポリゴンデータセットの交差部分以外を求める演算です。2つのデータセットのすべてのオブジェクトから、幾何オブジェクトが交差する部分が削除したものが結果となります。また幾何オブジェクトの交差部分は分割されます。 | |||
更新演算(Update) | オーバレイするデータセットの内容に、元データ(オーバーレイされるデータセット)中の対応する位置の内容を更新します。 |
ボロノイ図の生成(近隣解析)
ボロノイ図は、1つのポイントデータセットに対し、任意の2点を結ぶ線に対して垂直方向に線を引き、これらの垂直線が囲んだポリゴンデータセットを指します。
各ポリゴンには必ず1つのポイントがあり、ポリゴン内の任意の位置からポイントまでの距離は、その他のポイントまでの距離よりも近くなります。
気温や降水量などの計算時にポイント周辺の観測値を簡単に予測する場合や、ショッピングセンターや病院など施設のサービスエリアを簡単に区分けする場合などに活用されています。
バッファ解析
バッファ(buffer)とは、指定した距離の内側を範囲とする領域を指します。点、線、面に対してバッファを生成 できます。複数のオブジェクトに対するバッファ生成や、マルチバッファ(同心円など、1つのオブジェクトに対する複数のバッファ)の生成もサポートしてい ます。
バッファ解析と他の解析機能の組合せ
バッファは、オーバーレイ解析、クリッピングなど、他の解析機能と合わせて活用できます。