SuperMap S-CDE (Smart-Common Data Environment) は、インフラ維持管理のためのデータ共有プラットフォームです。
昨今、特に国交省の推進する建設業のICT化「i-Construction」、内閣府による次世代社会システム「Society 5.0」の実現に向けて、技術研究や導入が進んできております。 それに伴い、空間データの多様化や大容量化が顕著になりつつあります。 そのような中で、“S-CDE”は、データを必要とする人が、必要に応じて自在に利用するための基盤を担うソリューション・コンセプトです。
世に膨大ともいえる G 空間データが存在しますが、取得したものの、そのまま効率的に利活用できていないというようなデータを多く持て余していらっしゃいませんでしょうか? そのようなデータを統合するプラットフォームが 「S-CDE」 です。 マルチソース対応の SuperMap GIS をコアとして、多様なフォーマットのデータをすべて統合し、インデックス化することができます。さらにその上で、空間解析などをはじめとする GIS 機能の開発や、配信が可能です。 このようなプラットフォーム環境を整えることで、データの見える化と利用価値の向上を実現し、また、システムとしてのトータルコストダウンにも寄与します。S-CDE 上で構造化したデータは、様々な目的を持ったエンドユーザーによって共有され、使い手は“GIS”や、“データの違い”を意識せずに利用できる環境となります。
S-CDEは、複数種のデータベースを格納したサーバーをベースとして、その上でデータ管理やアプリの開発・実行の機能を実現します。
従来より普及しているGISデータ(2Dベクタデータ・マップデータ等)はもちろん、 点群データ(las,xyz等)、BIMモデル(FBX,IFC等)、3D写真測量モデル(OBJ,OSGB等)といった各種3Dフォーマットやリアルタイム・ストリーミングデータ広くサポートしており、 さらに適切なデータベースフレームワークに格納することで効率よく理路整然とした空間データ管理が可能となっています。
また、マネジメント・ポータルサーバーにおいて、システム全体の監視・リソース管理・負荷管理・バックアップ・セキュリティ管理・Web上でのアプリケーション開発などが可能です。管理機能を分離化することで、大規模システムであっても安定した運用をサポートすることが出来ます。 このような基礎構造をベースとしたうえで、PC、Serverやモバイル(Android/iOS)、ブラウザなど多様な環境に対応したアプリケーションの構築が可能で、すでに構築されている業務環境やセキュリティ環境下においても柔軟に対応することができます。 特に、Webポータル上での開発環境の提供については、JavaScriptやPythonなどの汎用的な言語に対応し、開発の裾野を広げています。
「Hunan PowerITech株式会社」http://www.power-itech.cn
SuperMapパートナーとして本プラットフォームを開発されました。前身の企業ではNEC・トヨタ・ソニー・米MSのアウトソーシングを中心業務としていたソフトウェア開発会社様です。
本事例は、香港~珠海・マカオを結ぶ、世界最大の海上橋・港珠澳大橋(こうじゅおうおおはし)の施工管理プラットフォームをBIM+SuperMapで構築したプロジェクトです。 設計や現場指導までも3次元化しており、あらゆるプロセスの多次元可視化による効果的な管理目標を達成しています。さらに、モバイルアプリを介して現場をペーパーレスかつリアルに管理し、意思決定者への”見える化”を提供しています。
GISを採用した理由として、「大型な構造物、例えば道路や橋梁・トンネル・地下管路などの幅広く分布する帯状のものでは、ミクロとマクロが絡み合い、周辺との関係が密接になってくる。仮設建物や周辺環境の評価などを実現する必要性があるため、GIS技術を採用することにした」と、同社の陳社長は語られました。
本プラットフォームで実現した主な機能は、BIMモデルとドローン写真の全貌ビュー、仮設建築物の評価、図面の属性検索、品質・安全・進捗管理、工程検査、ビームヤード管理、デジタルアイデンティティ(各個人およびモデルにQRコードを紐づけた情報照会)、リアルタイムビッグデータ分析・結果閲覧など、多岐にわたります。クライアントはPCやWebブラウザ端末だけでなく、モバイル端末も有効活用した一大データ共有プラットフォームとして成功させました。
※詳細なユーザーレビューを「建設ITガイド」(2019年版・経済調査会発行)に掲載しています。是非ご覧ください。